目次
そもそも皮下脂肪とは?
皮下脂肪がつく原因を探る前に、皮下脂肪について説明していきましょう。皮下脂肪とは、皮膚の近いところにある脂肪のことです。普通、体は骨→内臓→皮膚の順番で、中から構成されています。
このうち皮下脂肪は内臓と皮膚の間にあります。
内臓脂肪はどこにあるの?
内臓は「腹腔膜」で覆われていますが、ここに大腸や小腸などの胃を支えている「腸間膜」という膜があります。この「腸間膜」についた脂肪や「大網膜」という胃から垂れ下がった膜についた脂肪のことを「内臓脂肪」といいます。皮膚の下につく皮下脂肪と比べると、体の内部にある脂肪です。
皮下脂肪の特徴
見えやすい
内臓の間に溜まる内臓脂肪は、皮膚から遠いのでわかりやすく現れるわけではありませんが、皮下脂肪は皮膚に近いところにあるので、見た目にわかりやすく現れます。なので、指で脂肪をつまむことができ、なおかつ急激に皮下脂肪が減ると皮膚が皮のようになります。
蓄積しづらいが、落とすのは大変
皮下脂肪は蓄積させることは難しいですが、そのぶん落とすのも大変です。なので、皮下脂肪は脂肪が蓄積する前に落とすことが体系を維持する秘訣になります。
内臓脂肪が「普通預金」だと思えば、皮下脂肪は「定期預金」のようなものです。
蓄積しても病気のリスクにはならない
内臓脂肪の場合、生活習慣病などの病気リスクの1つになります。が、皮下脂肪はいくら溜まっても病気のリスクにはなりません。
もちろん、皮下脂肪が増えて体重が増え、そのぶん体の負担になる…といったことはありますが、内臓系の病気や生活習慣病にかかるリスクはありません。
また、皮下脂肪には断熱効果や日常生活での衝撃を和らげてくれる効果もあります。
もし、皮下脂肪が極端に少なければ風邪やインフルエンザになりやすくなり、転んだときに大きなけが(骨折など)をする可能性が高まるので、ある程度は必要です。
女性のほうが増えやすい
男性より女性のほうが体つきに丸みがあり、脂肪がつける面積が大きいためです。
というのもですが、女性ホルモンである「エストロゲン」には、バストやヒップなどの女性特有のパーツに脂肪を蓄える機能があります。
特にヒップは「必要ではないでしょ?」と思う人も多いですが、男性は自分の生殖機能が働きそうかどうか、子供が産めそうかどうかを女性のボディラインを見て判断します。
実際、若い頃はスレンダーな美女が好きだったという男性も、年を取ったら少しふくよかな女性の方が好きになった…というパターンはよくあります。
当たり前ですが、人は繁殖していかなければ絶滅するので、女性のほうが皮下脂肪がつきやすいことについては諦めたほうがいいかもしれません。
皮下脂肪が増える原因1、食べすぎ&運動しなさすぎ
当たり前のことですが、たくさん食べると、たくさんの栄養素が体の中に吸収されます。
その栄養はいったん脂肪として蓄積されますが、この段階で運動やカロリー制限などで解消できれば問題ありません。
食べ過ぎと運動しなさすぎが重なり、皮下脂肪がどんどん雪だるま式に溜まると、だんだん手強い皮下脂肪になっていきます。
食べ過ぎと運動しなさすぎをバッティングさせないよう、カロリーと運動量に気をつけましょう。
皮下脂肪が増える原因2、(妊娠中の場合)赤ちゃんを守るために脂肪がついたから
妊娠中の場合、しっかり食事量を管理していてさらに運動もしていても皮下脂肪が溜まります。
赤ちゃんが本格的に成長し始める7カ月目以降になると、赤ちゃんは成長するために多くの糖質を欲するようになります。この赤ちゃんの成長を阻害しないために、お母さんの体はお母さんが取った糖質を全部胎児に送るよう、体のシステムが変わります。
お母さんの体は糖質の代わりに皮下脂肪をエネルギーとするようになり、必然的に皮下脂肪が増えるのです。
いつもであれば皮下脂肪が溜まったらダイエットするべきですが、この場合は皮下脂肪を減らすと母子の健康を損ねることになるので、食生活の管理や運動はしつつも、妊娠中は皮下脂肪を減らそうとは計画しないようにしましょう。
皮下脂肪が増える原因3、何かしらの原因で基礎代謝が落ちている
基礎代謝が高い人は何をしていてもすぐカロリーが消費されますが、基礎代謝が低い人は何をしてもあまりカロリーが消費されません。皮下脂肪が溜まる1つの原因として、基礎代謝が落ちていることが考えられます。
基礎代謝が落ちた理由
基礎代謝はさまざまな理由で落ちますが、皮下脂肪を落としたいと思っている人が気をつけるべきことは
以下の3つです。
・年齢
残念ながら基礎代謝量は年齢とともに低下します。
男性の場合、15才から17才のときは1日あたり1570キロカロリーあった基礎代謝量が30才から49才ともなると1520キロカロリーにまで落ち、さらに50才から69才ともなると1380キロカロリーにまで落ちます。
女性の場合もっと低下が著しく、12才から14才のときは1350キロカロリーあった基礎代謝量が、30才から49才になると1140キロカロリーになります。
なので、皮下脂肪を溜めないためには年齢に合わせて食事内容や運動量を変える必要があります。
・無理なダイエット
「1週間断食する」
「1ヶ月間何も食べない」
など、そのような「無理なダイエット」は代謝を下げます。
こうした一定期間何も食べないというダイエットは体を飢餓状態にし、基礎代謝を下げ、体が体の健康を守ろうとします。その状態がダイエットが終わった後も続き、結果的に皮下脂肪がつきやすくなります。
・便秘
そもそもですが、便秘で出ない排便物は体の老廃物です。
それが腸内に長く留まっていると、発行して有毒なガスを発生させるようになります。さらに、それが体に吸収されてしまうと、内臓の働きが鈍くなり、代謝機能が落ちます。
どうすれば皮下脂肪を落とせるの?
有酸素運動・無酸素運動
有酸素運動は脂肪を効率良くエネルギーに変えてくれるので、皮下脂肪を落とすことができます。
ただ、無酸素運動も無意味ではありません。無酸素運動は筋肉を増やしますが、その筋肉が基礎代謝量を上げてくれ、体を痩せやすくしてくれます。
できれば組み合わせて行うようにし、相乗効果に期待しましょう。
糖質制限
運動ほどの効果は期待できません。
というのもですが、糖質制限では先に内臓脂肪が落ち、次に皮下脂肪が落ちます。
ただ、過剰に摂取された糖質が中性脂肪になり、皮下脂肪になるので、脂肪が増える過程を考えると、脂肪の元になる糖質を減らすことは、ダイエットに効果があります。
漢方薬を活用する
漢方薬には代謝を上げ、便秘を改善し、冷えを改善する効果があるものもあります。これらが組み合わさることで皮下脂肪が燃焼されるので、試してみてはどうでしょうか。
マッサージ
もちろんマッサージだけで皮下脂肪を落とせるわけではありませんが、皮下脂肪は固くなると「セルライト」になり、なかなか落としづらくなります。
セルライトになる原因である「脂肪が固い」を解消するために、マッサージをしてみましょう。
あくまでも皮下脂肪を柔らかくして、効率良く燃焼させるための補助剤でしかありあせませんが、それでもしないよりはいいですよ。
皮下脂肪が増える原因には様々なものがある
食べ過ぎ、運動しなさすぎも皮下脂肪が増える原因の1つですが、ほかにも基礎代謝量の低下や、妊娠にともなう体の変化というのもあり、原因は1つだけとはいえません。
ですが、皮下脂肪を落とすのに最も効果的なのは運動不足の解消と、食事を変えることなので、妊娠中であることが原因でないのなら、早めに落としてしまいましょう。