久々に運動をしたとき、経験するのが筋肉痛です。すぐにあらわれることもあれば、忘れたころにあらわれ苦しめるものもありますね。何をするにしても動作を遮られているようで不快、この筋肉痛を何とか早く治める方法はないでしょうか?今回は「運動における筋肉痛」についての知識や筋肉痛に効く薬についてまとめます。
筋肉痛って?!
筋肉痛とは普段使用しない筋肉を動かしたときに起こる現象です。例えば新しいトレーニング法を試したり、同じ姿勢で長い時間すごしたり、慣れないハイヒールを長時間履き歩き回ったりしたときに起こります。すぐに起こる人もいれば2日後くらいに起こる人もおり、筋肉の使用方法や日頃の使用頻度や筋肉のタイプによって起こるタイミングには個人差があります。一般の方だけでなくトップアスリートも筋肉痛を起こします。
しくみ
筋肉痛は簡単に言うと筋肉の「ささくれ」です。同じ筋肉を酷使したり普段使用しない筋肉をいきなり使用したりすると筋繊維は傷つきます。私たちの身体はそれを修復する作業を行っているのですがこの過程で痛みを感じるのです。2日後くらいに筋肉痛を起こすメカニズムは、普段使用していない筋肉には毛細血管が行き届いていないので血流がその筋肉に届くのに時間がかかるからです。個人差はありますが筋肉痛から回復するには2日程度かかります。
筋肉痛のうえでのトレーニングは効果的か?
筋肉痛は筋肉増強に効くとし、筋肉痛を起こしているときにその部位を鍛える方もおられますが、望ましいことではありません。なぜなら筋繊維を修復しているのですから邪魔をすべきではないのです。無理にトレーニングをして筋肉を痛めては元も子もありません。こういったときは「レスト」といってストレッチなどをして静かに過ごす、もしくはその筋肉に影響のない他の筋肉のトレーニングを行うことをおすすめします。
筋肉痛に効く薬
各製薬会社から筋肉痛を鎮める薬が販売されています。一般的な使用法をご紹介します。
■スプレーの使用方法
運動後、患部に吹き付けるだけなので誰でも簡単に対処することができます。皮膚にかゆみや炎症が起こった場合は使用をやめましょう。
■クリームの使用方法
クリームを患部の中心か指先に出し、患部の中心にゆっくりと置いて伸ばします。こちらも皮膚にかゆみや炎症が起こったら直ちに使用をやめます。
■湿布薬の使用方法
ポイントとして炎症を抑えるインドメタシンが配合された湿布薬を選ぶようにしましょう。貼るタイミングはリラックスできるとき、入浴後が望ましいです。背中や太ももには大判、ふくらはぎには中判を貼りますが、貼る前にその部位を清潔にします。ふくらはぎに貼る場合、フイルムの半分をはがし先にふくらはぎ上部に固定します。位置が定まったら残りのフイルムもはがして伸ばし、空気が入らないように貼っていきます。湿布薬の効果は5時間が目安と考えましょう。新しく貼り替える場合は2時間程度開けて貼りましょう。冷蔵庫で冷やしておくと気持ちがいいですよ♪
※スプレーや塗り薬と同様、長時間貼りっぱなしにしていると皮膚に炎症等を起こすことがあります。湿布薬が筋肉痛に効くのは5時間程度なので湿布をはがしましょう。
※湿布薬をはがした後もしばらく効果は持続します。人によっては患部に直射日光が当たることで腫れたり赤くなったりする可能性があるので湿布薬を使用した後の患部に日光が直接当たらないようにしましょう。
■薬の服用方法
服用するタイプは消化器官を通して有効成分が体中に行きわたるので効果は絶大ですがそのぶん服用方法を間違うと取り返しがつかないことになりかねません。どうしても早く回復させたい方は医師や薬剤師に相談し指示に従い服用しましょう。
薬を使用しない対処法
①筋肉痛がひどいときは冷やす
炎症がひどいときはタオルに巻いた保冷材などを当てて炎症した部位を冷やすことが先決です。
②血行促進
筋肉痛がマシになってきたら血行を促進させます。具体的にはお風呂の湯船に浸かって身体を温めたり前述したように静かにストレッチを行ったりします。
③栄養と睡眠
良質のたんぱく質(ささみや卵等)を摂取すると筋肉の修復作業を助けより強靭な筋肉を作ることができます。また、人間の身体は眠っている時間が修復させるチャンス、22時~2時のゴールデンタイムにできるだけ眠るようにしましょう。
※筋肉を増大させたい場合は運動後30分以内の摂取が効き目抜群です。しかしダイエットなど筋肉を増大させるのが目的でない場合は運動後すぐの食事は避けましょう。
やってはいけないこと
①薬の過剰摂取と継続使用
薬の過剰摂取は肝機能障害を起こします。早く治したいからといって自己判断で用量を変えてはいけません。また、湿布も継続使用は皮膚トラブルの原因です。説明書を見て使用方法を確認の上、正しく使うようにしましょう。
②指圧マッサージ
炎症を起こしているのに指で押さえてはいけません。マッサージをするならば心臓より遠くから順番に「さする」方法をとります。
筋肉痛は悪いものではない
普段使用しない部位を使用したのですから筋繊維が炎症を起こすのはあたりまえです。ハイヒールで筋肉痛を起こし、こりごりだと考えるならば潔くハイヒールを履くことをやめればいいです。トレーニングをして筋肉痛を起こした場合、その筋肉をきちんと使えている証拠、効き目ありと捉え痛いのは嫌だからといってそのトレーニングを避けるのではなく筋肉痛が治まったら再度行ってみましょう。次第にその筋肉も動きに慣れてきて筋肉痛を起こさなくなりますが、そこで満足するのではなく少しずつ負荷を増やしていくことで筋肉は増大しよりパフォーマンスの助けになります。
生活に支障をきたすほど辛いときは薬を服用すればよいですが、できれば冷却したり湿布薬や貼ったりし様子を見るようにしましょう。