レタスといえば食物繊維が多いというイメージもありますが、本当に多いのでしょうか。今回はレタスの食物繊維の量を、あらゆる角度から検証してみました。
目次
レタスにはどれくらい食物繊維が含まれているの?
レタスには、100gあたり1.1gの食物繊維が含まれています。レタスは300g~500gほどなので、小さいもので3.3g、大きいもので5.5gの食物繊維がある計算に。葉っぱ1枚あたりだと30gになり、食物繊維は0.3333…g程度含まれていることになります。
カロリーは100gあたり12キロカロリーで、一玉食べても36~60キロカロリーとかなりヘルシー。
食物繊維がたくさん含まれていて、さらにカロリーも少ない…となればダイエットやお通じ改善には効果大ですね…!といいたいところですが、実はレタスにはあまり食物繊維は含まれていません。
実はレタスにはあまり食物繊維が含まれていない
よく「レタスにはたくさん食物繊維が含まれている」といわれます。確かにレタスは全食材のなかでは食物繊維が豊富に含まれているほうであり、しかも上位の食材は大量摂取しづらいことを考えると、たくさん含まれているともいえるでしょう。
ですが、野菜全体で見ればレタスより食物繊維が多い食材としては
- 切り干し大根
- ごぼう
- えだまめ
- モロヘイヤ
- グリーンピース
- パセリ
- きくらげ
- 干ししいたけ
- しいたけ
- なめこ
- 本しめじ
- セロリ
- かぼちゃ
- にら
- 唐辛子
- しそ
などさまざまなものがあります。
特にこのなかでもっとも食物繊維が多く、そして気軽に食べられるしそは100gあたり7.3g含まれており、レタスの約7倍も入っています。
1日2000gは非現実的
一般的に食物繊維は1日20~30gはとるべきだとされていますが、レタスの場合は2000g~3000g食べなければならず、4~10玉食べなければなりません。これでは非現実的ですね。
一方しそであれば300g取れば済みますし、ごぼうであれば100gあたり6.1gなので、400g食べれば済みます。こっちのほうが現実的です。(ちなみに唐辛子には100gあたり50gもの食物繊維が入っていますが、辛い物好きでなければいつも料理に入れるのは非現実的です)
どうして食物繊維といえばレタスになったの?
どうして食物繊維=レタスになったのかというと、広告などで「○○(食材)何個分の栄養素!」とうたうとき、同じ食物繊維20gでも「唐辛子40g分の栄養素!」というよりかは、「レタス6玉分の栄養素!」といったほうがお得感が増します。
そしてこの場合は「レタスは食物繊維が多そう」というのを前提にして、広告が作られているので、レタスが例に用いられることが増え、いつの間にか「レタスは食物繊維が多い」というニセ常識ができあがったのです。
どんな食材を取れば食物繊維を取れるの?
レタスにあまり食物繊維が入っていないとなれば、それが気になる人も多いでしょう。
というわけで、厚生労働省が公表している「日本食品標準成分表2015年版」から、100gあたりの食物繊維が多く含まれている食べ物を、トップ100の中でも食べやすいものをいくつか紹介していきます。
10位・11位 干しひじき
トップ10に入っている食材の中では、もっともたくさん食べられるものです。干しひじきはステンレス釜で作られることもあれば、鉄釜で作られることもありますが、どちらでも食物繊維が含まれている量は「100gあたり51.8g」と変わりません。
干しひじきには食物繊維だけではなく、皮膚を健康にするビタミンAやイライラを抑え、子どもの成長を促すカルシウム、鉄などが多く含まれているので、食物繊維以外の効果も期待できます。
さまざまなメニューがあるので料理にも取り入れやすく、カンタンにとれるひじき。食物繊維がかなりたくさん含まれているので、積極的にとってみては?
14位 煎茶
食物繊維が多い食べ物の上位は、乾燥キノコ類やこんにゃくが占めますが、いつもいつでもこれらを食べられるわけではありません。煎茶はお茶で最も食物繊維が多く含まれており、100gあたりなんと「46.5g」も含まれています。
味は普通に飲みやすく、しかもカフェインも100mlあたり20gと、コーヒーの3分の1。しかもスーパーなどで売られている茶葉を入れれば、カンタンに作ることができ、水筒などに入れればいつでも飲めます。
いつも飲んでいる飲み物を煎茶に変えるだけでもかなり効果が期待できるので、今日から煎茶を積極的に飲んでみては?
24位 抹茶
煎茶よりカフェイン量は多く、また食物繊維が入っている量も100g中38.5gと少ないですが、それでも多くの食物繊維が含まれています。しかも最近では抹茶を使ったスイーツ(カロリーに注意)や食べ物も多く出てきており、抹茶ブームともいえるので、おいしくいただけます。
スーパーで茶葉を買ってそれを常時飲むのもよし、スイーツや食べ物などでとるのもよし、ベスト30ではトップクラスに多く飲食できる物です。
25位 紅茶
含まれている食物繊維の量は100g中38.1と抹茶より微妙に少ないですが、飲みやすさは抹茶以上です。スーパーに行けばいくらでも茶葉が売られているほか、飲食店に行けば食前/食後で紅茶を飲めます。
また活用の仕方によっては料理の中に入れ込むこともでき、「紅茶ゼリー」や「紅茶を練り込んだケーキ」もあります。
30位以内の食べ物では、一番カンタンに手に入る食べ物です。食物繊維をとりたい人は、まずコンビニでペットボトルの紅茶を買ってみては?
78位 ブルーベリー
100位以内に入っている、唯一の果物です。100gに17.6gの食物繊維が入っており、120g程度食べるだけであっという間に20g摂取できちゃいます。フルーツを食べる習慣がある人は、今日からブルーベリーに切り替えてみては?
意外と食物繊維が含まれている食材
ここでは多くは取れないものの、意外と食物繊維が多く含まれている食材を紹介します。
・トウガラシ
100gの中に46.4gもの食物繊維が含まれており、ランキングでは第15位にランクインしています。トウガラシは50g取れば成人の目安量をクリアできますが、トウガラシは1本で0.4gなので、これをトウガラシだけでクリアしようとすれば、1日100本以上はとらなければなりません。
よほどの辛い物好きじゃない限り、香辛料は毎回の料理に入れられませんし、多く食べられるものでもありません。なので上では紹介しませんでしたが、かなり多く含まれているので、参考までに紹介しました。
辛い物好きの人は、今日から料理に使う香辛料をトウガラシにしてみては?
・カレー粉
100gの中に36.9gも含まれています。トウガラシに比べるとまだ辛くないほか、カレーだけではなくカレーうどんやカレードリアなど、さまざまなメニューに応用が利きますが、カレー粉は「大さじ2杯」「小さじ1杯」など少量入れただけで十分刺激が得られます。
カレー粉だけで食物繊維を摂取しようとすると、1日あたり約7.4g取らなければなりません。大さじ1杯半なので難しくはありませんが、香辛料なので好き嫌いが分かれるため、上には入れませんでした。
レタスの食物繊維が多いはウソ!食物繊維はほかの食材で補おう
レタスは食物繊維がたくさん入っているといわれますが、実際にはウソです。食物繊維はほかの食材の方がたくさん含まれており、野菜でもカボチャやごぼうなど、いくつかあります。食物繊維を補いたい場合、ほかの食材で補いましょう。