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そもそも納豆菌ってなに?
1906年に、沢村真農学博士によって発見された細菌のことです。
1968年に医薬品に用いることが許可され、1990年には動物用の薬に使うことが、
1996年には動物のエサに使う添加物として使うことが許可され、近年では健康食品としても積極的に使われるようになり、注目を集めています。
納豆菌は納豆を作るときに、ネバネバ感を出すために必要なものですが、食材のネバネバを出すためではなくさまざまな健康効果があり、健康に良い細菌だともされています。
どんな食品に含まれているの?
市販の食べ物では「納豆のみ」です。
他にも納豆菌を使ったサプリや健康食品、それから医薬品にも含まています。なので、納豆自体が苦手な人は食べ物からは取りづらいですが、納豆菌が入ったサプリや健康食品などを取ることで、納豆菌を取ることができます。
効果は?
納豆菌には、さまざまな体に健康をもたらす成分が含まれています。
納豆菌の中には「ナットウキナーゼ」が入っていますが、これには決戦を溶かす効果があります。
血栓は破損した血管や、組織を止めるために日常的に作られています。
通常時は「プラスミン」という酵素によって分解されますが、血栓の分解がうまく行かず、血管内に残ってしまうと、最終的には血管が詰まってしまいます。納豆菌の中には「ジピコリン酸」が含まれていますが、これには強い抗菌効果があり食中毒になりにくい体にしてくれます。
納豆菌は「ビタミンK2」を作ることができますが、これは食べ物から取ったカルシウムを骨に定着させるために必要な栄養素です。
納豆菌自体には腸内の善玉菌を増やし、悪玉菌を減らしてくれる「プロバイオティクス効果」があり、悪玉菌の増え過ぎで起こる
・太りやすくなる
・花粉症やアレルギーになる
・口臭や体臭が臭う
・肌荒れやニキビになる
・風邪やインフルエンザになりやすくなる
などといった体の不調を防いでくれます。
このほかにもさまざまな健康効果があり、ネットでは「納豆菌最強説」もあるほど納豆菌は健康に良い細菌です。
どんな風に取ればいいの?
納豆を1日50g、つまり1パック食べる程度で十分です。
ただ、夜は血液の流動性が下がるので、納豆は夜に食べたほうが効果的に血栓を解消できます。
納豆菌とナットウキナーゼの違いは?
この文章でもちらっと触れていますが、納豆菌とナットウキナーゼの違いは、「納豆菌の中にナットウキナーゼが含まれている」です。納豆菌とナットウキナーゼは同じ成分だと思ってしまいがちですが、実際は全く違う成分なので、気をつけましょう。
納豆菌は熱に強い?
「強い」です。
通常時の活動は10度から165度の環境までしかできないので、冷凍庫に入れたり、170度以上の油で揚げたりするとできなくなります。
ですが、納豆菌は10度未満165度以上の環境になっても、死滅せず「胞子」を生成するようになり、それが納豆菌を守ってくれます。
納豆菌が熱に強いと言われるゆえんには、こういった事情があるのです。
ナットウキナーゼは熱に強いの?
ちなみに、納豆菌の中にあるナットウキナーゼですが、ナットウキナーゼは熱に弱いです。
ただ、ナットウキナーゼの場合は周りの水分量に左右されます。
水分が多い状態で50度以上になると、急に活動が悪くなりますが、反対に乾燥したところで100度以上になっても、活動が悪くなるわけではありません。
人間は100度のサウナには長時間いられるものの、
50度の熱湯には5分もいられないのと同じようなことです。
納豆菌は熱だけではなくこんなのにも強い!
納豆菌は「熱に強い」と紹介しましたが、熱以外にもこんなものにも強いです。
酸性・アルカリ性
納豆菌は賛成でもアルカリ性でも活動できる細菌です。
例えばですが、納豆を食べると強い酸性である胃酸によって消化が行われますが、このとき胃酸でも死滅せず、腸まで生きて届いてくれます。
また、アルカリ性にも強いので、
アルカリ性である
・ほうれん草
・昆布
・キャベツ
などといった食べ物と一緒に食べても、栄養が消えません。
大気と真空
納豆菌は高度3000mの大気にも存在しています。
人間の場合、高度3000mともなると高山病になる人もいるレベルですが、納豆菌はその環境の中でも生存します。また、普通の人間であれば酸素がないため窒息死する真空の環境であっても、納豆菌は生きることができます。
繁殖力にも長けている納豆菌
納豆菌は繁殖力がかなり強く、30分ごとに倍々に増えることができます。たった1つの納豆菌であっても、16時間後には40億個にもなります。
栄養源なしでも100万年以上生きる
納豆菌は栄養を取らなくても100万年以上生きられます。
「100万年」というと人間は普通に生きていてもとっくのとうに死んでいますが、その年月すら乗り越えられます。また、人間は平均的な身長と体重の男性で36日、平均的な身長と体重の女性で40日食べないと死んでしまいます。
これは人間が脂肪をエネルギーに変えて活動をしているため、その脂肪がなくなるので死んでしまうということなのですが、いずれにせよかなりすごい数字であることがわかります。
1万グレイ(放射線)照射されても生き残る
人間の場合、100シーベルトの放射線を浴びると、すぐに嘔吐して昏睡状態に陥り、数時間で死んでしまいます。ですが、納豆菌はその何百倍にもあたる1万グレイの放射線を浴びても生き残ることができるため、かなり幅広い環境で生き残ることができます。
納豆菌は何日持つの?
基本的に、納豆菌は「持つ」「持たない」ではありません。
栄養がなくても1万年以上は生きるので、納豆の賞味、消費期限のほうが問題です。
納豆の賞味期限は製造日からおおよそ1週間と短く、賞味期限以内であれば美味しく食べられますが、保存方法に気をつける必要があります。常温保存では納豆菌が活動し、発酵が進むため、アンモニアが多く発生し、風味が損なわれてしまいます。その納豆を食べても体に害があるわけではありませんが、納豆本来の旨味や匂いを味わうことはできないので、食べないほうがいいでしょう。
なお、市販の納豆菌が入っているサプリメントの場合、そのサプリメントのパッケージに書かれている賞味期限や消費期限が持つ目安です。書かれていない場合は、コールセンターに聞いてみましょう。
納豆菌は熱に強い上に、熱以外にも強く、健康効果も高い
納豆菌は熱に強い上に、熱以外の人間であればすぐに死んでしまうような真空や強い放射線がある環境でも生き残ることができます。しかも、その上健康効果も非常に高く、腸内環境を整えるだけではなく、ダイエットから美容、健康管理まで幅広い効果があります。
納豆菌は納豆からしか効果的に取れないので、納豆が苦手な人はあまり食べられませんが、苦手ではない人は積極的に食べていきましょう。