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そもそもセロトニンって何?
ドーパミン、ノルアドレナリン、セロトニンからなる三大神経伝達物質の1つです。
人の精神面に安定や安らぎをもたらし、オキシトシンとともに「幸せホルモン」と呼ばれることもあります。これが不足すると、うつ病や不眠症などの精神疾患に陥ることも。
特に現代人の場合、ストレスフルな社会に生きている分、心が休まる時間が少なく、(どちらかというと)頭を働かせるノルアドレナリンやドーパミンが多く分泌されやすいので、なるべくセロトニンを増やしたいものです。
セロトニンは食品から摂取できない
そのセロトニンですが、セロトニンが含まれている食品はありません。
(いきなり元も子もない話になりますが…)
基本的に、セロトニンは
・太陽の光を浴びる
・リズム感のある全身運動
・呼吸
・噛む
・早起き早寝を長期間する
などによって増えるものなので、セロトニン自体を食品から取ろうとしても、あまり意味がありません。ただ、食品でもセロトニンを増やすことはできます。
トリプトファンを含む食品を食べよう
セロトニンですが、実は「トリプトファン」という成分から生成されています。トリプトファンとは「必須アミノ酸」の1つであり、セロトニンだけではなく「メラトニン」や「ナイアシン」など、さまざまな成分のもととなっているものです。ですが、人の体の中では生成できないので、サプリメントや食品などから補うしかありません。
トリプトファンはどんな食品に含まれているのでしょうか。
乳製品
どの食品を選んでもそこそこ以上の量は含まれていますが、中でも「チーズ」には多く含まれています。
ナチュラルチーズには100gあたり320mgが、プロセスチーズには1000gあたり290mgが含まれ、両方ともトリプトファンをたくさん取ることができます。
野菜などの好きな食材にチーズをかける「ラクレット」や、「チーズフォンデュ」などにすると、チーズをたくさん食べられます。両方ともチーズと好きな食材を用意し、チーズを溶かして、かけるかつけるかするだけなので、比較的簡単に作れます。ただ、ラクレットもチーズフォンデュも脂肪分が多いチーズを大量に食べるので、胃もたれ防止のために多めに野菜を用意しましょう。
なお、野菜にはあまりトリプトファンは含まれていません。(後で詳しく解説します。)
魚類
基本的に、どの魚を選んでも、たくさんトリプトファンを摂取できます。しかも、好き嫌いが激しい人でも食べられるものが多く、おかずになるので効率良くトリプトファンを摂取できます。
「かつお」には100gあたり200mgの、
「いわし」には50gあたり220mgの、
「うに」には50gあたり200mgのトリプトファンが含まれてています。
ただ、カニや貝は平均的にあまり含まれていないので、トリプトファンを取りたいなら避けましょう。また、海藻類は多く含まれているものと、そうでないものが両極端です。
「カットわかめ」には100gあたり310mgの、
「焼き海苔」には100gあたり510mgの
トリプトファンが含まれていますが、
「めかぶ」には100gあたり11mg、
「刻み昆布」には100gあたり62mg、
「削り昆布」には100gあたり75mgしか
トリプトファンが含まれていません。カットわかめと焼き海苔は普段から意識して食べたいですが、両方の食品とも主食にするようなものでもないので、少しずつ食べましょう。
肉類
お肉自体にトリプトファンが多く含まれ、「おかず」になるものなので、普段の生活の中でたくさん食べます。魚類と並んで効率良くトリプトファンを摂取できるので、積極的に食べましょう。
「豚ロース」には100gあたり230mgが、
「牛ひき肉」と「豚ひき肉」には100gあたり200mgが、
「鶏もも肉」には100gあたり190mgが、
「鶏むね肉」には100gあたり220mgが
含まれています。
普段、肉の食品といえば牛肉と豚肉、鶏肉を食べますが、基本的にはどれを選んでもたくさんトリプトファンを取れるので、好き嫌いが激しい人でも美味しく食べられるのも嬉しいポイントです。
野菜
野菜といえばヘルシーなイメージが強いので、一見たくさん含まれていそうですが、実はあまり含まれていません。強いて言えば
「ほうれん草」が100gあたり50mg、
「大豆もやし」が100gあたり48mg
含まれている程度で、あとは他の栄養素を取るために食べたほうが効率的です。きのこ類や芋類も他の野菜と同じような感じで、
「しいたけ」と「マッシュルーム」には100gあたり36mgが、
「里芋」には100gあたり34mgが入っています。
ほうれん草と大豆もやしはナムルにして食べられる食品です。トリプトファンが多いお肉をメインに、ナムルで野菜を取って、雑穀米(あとで解説)で糖分も取って栄養バランスを整えれば、焼肉もトリプトファンをたくさん取れる食事に変わるので、意識するとセロトニンがたくさん出るようになるかもしれません。
穀類
「白米」は100gあたり35mgなので少ないですが、「雑穀米」は100gあたり160mg
も入っているので、トリプトファンを取るなら雑穀米を食べましょう。
麺類は
「スパゲッティ」に100gあたり140mg、
「そば」に100gあたり120mg
入っているのに対し、
「うどん」には100gあたり71mg、
「中華麺」には100gあたり99mg
しか入っていません。食品によって違うので、気をつけましょう。
豆類
魚類と同じく、基本的にトリプトファンが多く含まれています。
「ごま」には100gあたり370mgが、
「納豆」には100gあたり240mgが、
「アーモンド」には100gあたり200mgが、
「豆腐」には100gあたり55mgが
含まれています。醤油も豆を発酵させてできているので、調味料の中ではかなり多く含まれています。ただ、豆類は基本的に大量に食べられるものではないので、少しずつ食べてきましょう。
その他食材
「卵」には100gあたり180mg
が含まれています。
卵もたくさん取れる食品ではないものの、目玉焼きにスクランブルエッグ、卵焼きやオムレツなどいろんなアレンジの方法があるので、少しずつ食べましょう。
セロトニンではなくトリプトファンを食品から取ろう!
セロトニンは食品に含まれているものではないものの、セロトニンの製造元である「トリプトファン」をたくさん食べ、太陽光を浴びたり、リズム運動をしたり、早起き早寝をすることでたくさん生むことができます。
セロトニンを生む第一歩として、まずはトリプトファンがたくさん入っている食品を意識的に食べるようにしてみましょう。