ヨガを継続することで、ダイエットや心身の不調の回復などさまざまな効果が期待できます。ただしいくら身体に良いからといって無理をして続けていたり、効果がない方法で行っていてはかえって体の不調を招きかねません。
今回はヨガを行う上で最低限気をつけておいたほうが良いことをご紹介していきます。
ヨガ初心者がヨガを行うときに気をつけること
呼吸は止めずに行う
ヨガは呼吸が大事です。ポーズをとるときに苦しいから、力を入れなくてはいけないからと呼吸を止めてしまったら、ヨガを行う効果が減少していしまいます。
ヨガを行うときは呼吸を止めないように心がけることが大切です。呼吸を止めずにヨガのポーズをすることで、全身に血液と酸素を届けることができます。
無理な姿勢やポーズはとらない
たとえ見本のようなポーズを取れなくても、見本に近づけるようにするだけでも効果が期待できます。見本のようなポーズを取れないにもかかわらず、無理にそのようなポーズをとろうとするとかえって身体を痛める原因にもなりかねません。
ヨガのポーズは自分のできる範囲で行うようにしましょう。ポーズを取るときに心地よいと感じる程度にしておくのが良いでしょう。
入浴前後はヨガをしない
入浴前と入浴後は血流が急激に変わりやすく、ヨガを行うのにあまり良い状況ではありません。入浴前後の2~3時間を避けて、血流や心拍数が安定しているときにヨガのポーズを行うようにするといいでしょう。
ヨガをやるときは空腹で行う
ご飯を食べてお腹いっぱいの状態だと身体中の血液は胃に集まってしまいます。
ヨガをやるときは血流の流れが良いほうがよいので、胃に血液が集まっている状態でポーズをとると得られる効果が少なくなってしまいます。
呼吸は鼻から吸って口から吐くが基本
ヨガのポーズを取るときは呼吸は鼻から吸って口から吐き出すようにしましょう。
腹式呼吸を行うことで、全身に新鮮な空気がいきわたるようにするためですが、慣れていない場合は口から息を吸っても構いません。
生理中は無理してやらない
生理中は血液の循環が悪くなっていたり、無理をすることで体調を崩しやすくなっていたりします。生理中は無理なポーズはとらずに、ゆったりとできるポーズを中心にヨガを行ってください。
妊娠したときは16週から
妊娠中、特に妊娠初期のヨガは体調を崩しやすいため控えるようにしたほうがいいでしょう。
どうしてもヨガがしたい場合は妊娠が安定してくる16週以降に。それでも個人個人で妊娠の状態は異なるので、安全のため産婦人科の医師に確認を取ってから行うようにすると安心です。
ヨガをやるとき用意するものは?
ヨガマットのように柔軟性のあるマット
ヨガをやるときに床が固すぎると、腰や背中などを痛めてしまうかもしれません。バスタオルを代用する方もいますが、バスタオルだとすべりやすくクッションの効果も薄いのでおすすめできません。
可能であればスポーツ用品店などでマットを購入するといいでしょう。価格もそれほど高いものではないので、ヨガを始めたいのであれば購入しておくと便利です。
動きやすい服装
ヨガは身体のいろいろな部分を伸ばしたり曲げたりするので、伸縮性のある服や動きやすい服で行うの方がいいでしょう。のびのびとできれば良いので動きやすければルームウェアでも構いません
初心者でも簡単なおすすめポーズ
立ち木のポーズ
どんなポーズ?
片足立ちで、もう一方の足の裏を立っている足の膝あたりにつけ、両手を胸の前で合掌し、その姿勢のままキープするポーズです。
ふらふらしやすいので初心者の方は10秒キープを目標に頑張ってみてください。
効果は?
血流改善の効果が期待できます。冷え性の解消にも効果があるようです。血流を促すのでむくみの改善も期待できます。老廃物を排出して、集中力をアップしたいときはこの立ち木のポーズをしてみるといいでしょう。
英雄のポーズ
どんなポーズ?
片足を前に出し、後ろがわにもう一方の足を大きく引きます。前の足に体重をかけ、ひざを90度に曲げます。
両手を頭上にまっすぐ伸ばし、手のひらを組んで人差し指だけ立てます。そのままの姿勢をキープして呼吸を5回行います。
呼吸を5回し終わったら今度は反対側の足で同じポーズを行います。
効果は?
体幹を鍛えるので、姿勢が安定します。太ももやおしりなどの引き締め効果も期待できるようです。内蔵にも刺激を与えるので、むくみ改善や便秘にも効果があるとされています。
下向きの犬のポーズ
どんなポーズ?
よつんばいになっておしりを高く上げ、床と体で三角形を作るようなイメージのポーズです。
やり方は四つんばいになった後、四つんばいの状態から膝をあげていき、じょじょに三角形の形になっていきます。
効果は?
全身の疲労感や倦怠感を軽減する効果が期待できます。また全身の筋肉を引き締めるので、シェイプアップの効果も。
このポーズは全身を使うポーズなので、ストレス緩和や疲労軽減、肩こり軽減といった効果も期待できます。疲れがたまったときの気分転換にも有効なポーズです。
ネコと牛のポーズ
どんなポーズ?
四つんばいの状態から腰を丸めたり、反らせたりする動作を行います。
比較的簡単にできるポーズなので、ヨガをやったことがない初心者向けのクラスによく取り入れられるポーズでもあります。
効果は?
血行促進して冷え性を改善したり、集中力を高めたりする効果が期待できます。
朝なかなか目が覚めないときなどにこのポーズをやると比較的目覚めがスッキリするかもしれません。そのほか内臓を刺激する作用もあるので内臓の機能をアップさせたり、ウエストやヒップを引き締めたりといった効果も期待できます。
橋のポーズ
どんなポーズ?
仰向けの状態で両足を折り曲げます。足の幅は肩幅に合わせ、おしりを持ち上げて肩から膝までが一直線になるようなポーズを取ります。このとき腰を反らさないように気をつけてください。両手はおしりの下で組み、視線はおへその辺りに合わせます。
この姿勢を5回呼吸する間程度キープしますが、苦しいようであれば無理をしないようにしましょう。
効果は?
腰周りの筋肉を鍛え体幹を鍛えます。尿漏れやPMSに効果があるといわれています。そのほかおしりの筋肉を使うことから、シェイプアップ効果、猫背改善の効果が期待できます。おしりやふとももを引き締めたい方には特におすすめのポーズです。
赤ちゃんのポーズ
どんなポーズ?
仰向けに寝た状態で両膝を抱えるようにおなかに軽く引き寄せます。さらに息を吐きながら両膝を胸のほうへと引き寄せていきます。
とても簡単にできるポーズなので初心者の方でも行いやすいポーズです。
効果は?
おなかの調子を整える効果が期待できます。腸を刺激するので貯まったガスが抜けやすくなると考えられています。また、腰痛の改善や予防の効果も期待できます。
ヨガがアンチエイジングに効くとされる理由4つ
現在ではすっかり「健康に効果がある」とされているヨガですが、アンチエイジングに対する効果もあります。ヨガがもたらす4つのアンチエイジング効果を紹介、悩んでいるあなたの背中を一押します。
バランスが良くなる
厚生労働省が2013年に調査した「国民成果基礎調査の概況」では「要介護になる要因」の上位が発表されています。
脳血管疾患が18.5%、認知症が15.8%、高齢による衰弱が13.4%を占めましたが、この次に骨折・転倒がき、11.8%の人はこれが原因で要介護になっています。高齢になるとともにバランス感覚が失われ、骨や筋肉が弱くなるので、転んだだけですぐ重大な病気につながります。
ヨガには様々なポーズがありますが、バランス感覚を鍛えるポーズはかなり多く、ヨガをしているときは右脳左脳両方ともが働くため、体の協調性を鍛える練習になり、結果的に転倒を防ぐことができます。
足の筋肉を鍛えられる
足の筋肉が衰えると何もないところでつまづくようになって怪我が多くなります。30代・40代と若いうちはいいですが、高齢化するに伴い転倒や要介護認定のリスクが高まるため、あまり好ましいこととはいえません。
腕や手の筋肉はデスク作業で使うことが多く、お腹や背中、顔の筋肉も日常生活で使いますが、子どもと比べると大人は運動習慣がないため、下半身の筋肉の衰えが起きやすくなっています。
しかも下半身の筋肉は上半身の筋肉を支えているため、上半身の筋肉より重要ですので、アンチエイジングを考えた場合、ぜひとも鍛えておきたい部位です。
ヨガは「正しい姿勢を守る」ことが基本概念で、足腰を強くするポーズを積極的に取り入れているので、老化防止に役に立つでしょう。
体が柔らかくなる
ヨガでは普段使わない筋肉を使うので、体が柔らかくなっていき、次のような効果が見込めます。
1、生活習慣病のリスクを減らせる
体が柔らかくなると血管も柔らかくなるため、動脈硬化になる可能性を減らせます。動脈硬化は進行すると脳梗塞や心不全、くも膜下出血などにつながり、要介護になるリスクを高めるので、ヨガで防げるならうれしいですね。
2、基礎代謝が高くなる
体が柔らかくなると血行が良くなるので、基礎代謝が上がります。結果じっとしているときの消費エネルギーが増加して太りづらくなったり、末端の冷えの解消や肌質改善をしてくれるので、こちらも嬉しいでしょう。
3、お肌のターンオーバーを正常化できる
体が柔らかくなると新陳代謝も活発になるので、お肌のターンオーバーも正常なスピードに戻されます。早すぎるとお肌がゴワゴワして化粧ノリが悪くなったり、水分をキープするのが難しくなって乾燥しすぎてしまいますが、遅すぎてもお肌にくすみが生まれてしまうので、どちらも考えものです。
マインドフルネス能力が身につく
そもそもですが、現在流行中の「マインドフルネス」は「ヨガ」から生まれたものです。
ヨガは古代インドで生まれた「宗教的行動」で、もともとは
・メンタルの平穏を保つ
・心の整理をする
を目的として生まれたものです。
日本でヨガが現在のように「健康のため」として親しまれるようになったのは2004年ごろからで、それ以前は戦前に一時期流行しましたが、オウム真理教による事件の影響で下火になっていました。
ヨガの発案者は呼吸と姿勢、心を三位一体にすることで上記の目的を達成しようと考え、ヨガの考えのベースにはこれがあります。
マインドフルネスは働きっぱなしの海馬を一時的に休ませ、記憶の取捨選択を促す効果がありますが、一連の流れが海馬を太く・大きくしてくれ、認知症や物忘れの防止になります。
またストレスも軽減するため、アンチエイジングだけではなくメンタルヘルスの対策やお肌の改善など様々な効果が期待できます。
まとめ
いかがでしたか?初心者がヨガを行うときに気をつける点と、ヨガで得られるアンチエイジング効果についてご説明しました。
アンチエイジングにはさまざまな手法がピックアップされていますが、ヨガは美肌の意味でのアンチエイジングだけではなく、高齢者になってからの健康面を考えたアンチエイジングもできるため、一石二鳥の手法です。
自宅でDVDなどを見ながらやればあまりお金もかかりませんし、ヨガは体が硬い方や初心者の方でも行えるポーズがたくさんあります。すぐに行えるので、日常のちょっとした隙間時間にも実践することが可能です。場所はヨガマットとスウェットがあればどこでも良いので、試してみてはいかがでしょうか。
また、アンチエイジング以外にもヨガは血行を良くしたり、腰痛や肩こりを改善したりといった効果も期待できます。毎日少しずつ続けて健康な身体にしていきましょう。
ただし、ヨガを行う上で気をつけなくてはいけないことも色々あります。特に妊娠中であったり腰痛などからだの不調があるときは無理をしてはいけません。あくまでも無理をせずできるところまでということをこころがけて、安全にヨガを楽しんでみてくださいね。